SE(システムエンジニア)の方やIT系に興味がある方だったら「エンジニアに資格は不要だ」とか「資格よりもスキル、こんな資格を取ることに意味ねーよ」といった発言を1度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
会社員としてSEをされている方だと、上司や会社に無理やり資格の取得を目標にされたという経験をした方も多いと思います。
自分も最初の会社では簿記3級取得をほぼ無理やり半期目標にされた記憶があります・・・そして落ちましたw(結果、取得できなかったからと一番低い評価になりボーナスの額が低くなってしまった記憶がありますが、、当時は実績で評価されていないとふてくされた記憶があります)
今回はこの資格不要論について考察してみます。SEには基本情報技術者や応用技術者といった資格の取得は必要なのでしょうか。
はい、結論からいうとSEに資格は不要です。ただし、資格を取得することに意味はあると考えています。これから詳しく説明していきます。
SEに資格が不要な理由
この理由はシンプルで、SEになるために必要な資格はないからです。例えば、弁護士や会計士になろうとしたら法的に資格が必要となりますが、SEになるために取得しなくてはならない国家資格はありません。
実際、資格を取得していなくても優秀なSEの方はたくさんいらっしゃいますし、「資格の勉強をしている暇があるなら実際にプログラミングをしてアプリを作ったり、サーバーを構築したりともっと実践的なことをしろ」っていう意見もよく聞きます。
正直、これは事実です。座学で試験に受かるための勉強をするより、実際に自分で何かを作ってそれを経験として語る方が面接官やクライアントへのアピールになります。
過去問を何度も解いて答えを覚えるより、自分はこれだけのことができて実際に作った作品はこれですと見せる方が、相手もその人がどれだけのことができるのか評価しやすいですしね。。
資格取得のメリット
SEとして活躍するために資格は不要ですが、資格を取得するメリットはあると考えています。
【資格取得によるメリット】
- 自信がつく
- (会社によっては)社内では評価される
- (会社によっては)資格手当がでる
1つめの「自信がつく」について、資格を取得するためには試験を受けます。当然、落ちる人もいます。そんな中で努力の結果、無事に試験に合格して資格を取得したという経験は少なからず自信につながります。
自信をつけるために資格を取る訳ではないですが、成功体験は自己肯定感につながるので意味があるかなと考えています。
2つめの「(会社によっては)社内では評価される」について、会社によっては特定の資格取得を必須にしていたり、資格の取得者人数を公開している場合があります。例えば、新入社員は「基本技術者試験」の取得を必須にしたり、オラクル認定資格のように特定の企業資格の取得者人数をアピールポイントにしているケースです。
この場合は資格を取得することで、その企業内限定ですが評価されることになります。
その会社でのみ評価されることに意味はない、そんな資格を評価する企業なんて時代遅れだといった意見もありますが、自分は断然、「評価されないより評価された方がいい」派です。
上司に無駄に責められるポイントを作て精神をすり減らすより、上司を味方にして希望や意見が通りやすいポジションに自分を置くことは大切です。同じ時間働くなら気持ちよく働きたいですし、チャンスをつかみやすい方が断然いいですよね。
3つめの「(会社によっては)資格手当がでる」は、はっきり言って貰えるものは貰った方がいいです。ここで注意が必要なのは資格手当をもらう為に資格を取得することは意味がないということです。
というのも、貰える資格手当の金額とその資格を取得するために勉強する時間を比較して時給換算すると、大抵の場合めちゃくちゃ安くなると思います。なので、お金目的で資格の勉強をすることは、はっきりいって本末転倒です。
SE経験が長くなればなるほど、資格よりも実績が評価されていくことになります。あくまで、その資格を取得するための基礎知識が既にあり資格手当がもらえるのであれば、力試し感覚で試験を受けるのはありかなと思っています。
こんな人には資格を取得する意味がある
資格取得のメリットを踏まえて、資格を取得する意味がある人を整理してみました。
【資格を取得する意味がある人】
- 所属する会社で取得が必須の資格がある人(但し、転職や独立を考えている人を除く)
- これからSEを目指す人(自分で作品を作りながら並行で勉強するのはあり)
資格取得のメリットでも触れましたが、所属する会社で取得必須の資格があり現時点で転職や独立を考えていないのであれば素直に取得しましょう。あえて社内の評価を下げる意味がありません。自分をどのポジションに置くかはとても重要です。
逆に転職や独立を考えている方は不要です。社内評価のために資格の勉強をする時間があれば自分の目標のために時間を使いましょう。
これからSEを目指す人については、資格の勉強をするくらいなら実際にプログラミングをしたりプログラミングスクールに行ったりと、実際にモノを作った方がよいですが、ある程度、基礎的な知識は必要というのは事実ですし、モノを作りながら並行して基本情報技術者といった資格の勉強するのはありかなと思います。
前述のとおり、合格するという成功体験は自信にもつながりますので。
ただ、まったくの初心者が座学で資格の勉強しながらプログラミングするとなると、それぞれに求められるスキルは異なりますのでかなりキツイです。それが苦痛になるのであれば、プログラミングといった実際にモノを作るところからチャレンジすることをお勧めします。
エンジニアは向き不向きがある仕事ですので、その過程で自分に向いているかがわかるのと、なにより、実際に自分が作業をすることでアプリやWebページといった何等かの作品が出来上がっていくのはとても楽しいです。
まとめ
ということで、SEに資格は不要ですが資格を取得することは無意味ではないです。
資格は残念ながら実績には勝てません。資格を取得することが大切なのではなく、その資格を活かして何をするかが大切です。
資格を取得することを目的とするのではなく、資格を取得している理由を明確にして、あなたの目的に必要だからその資格を取得するようにしましょう。
と、いう自分は、
- 初級システムアドミニストレータ(現、ITパスポート)
- 基本情報技術者
- Solution Consultant SCM-Order Fulfillment with mySAP ERP 2005(失効済)
- Solution Consultant Supply Chain Management-Procurement with SAP ERP 2005(失効済)
といった感じでいくつか資格を取得してきています。すべて社会人1~2年目に取得した資格ですが、はっきり言って会社に言われるがままに資格を取得することを目的として取得した資格も多いですww
正直、プロジェクト面談や転職の面接で資格がアピール要素になったことはほとんどなかったです。ただ、試験に合格したときは嬉しかったですし、こういう小さな成功体験が自信となった場面はありました。
この記事を見ているということは、SEに興味があったり、既にSEをされていて何等かの資格を取得するか迷っている方だと思います。
とにかく行動することが大事です。迷って何もせずに時間が過ぎていくことが一番の無駄です。何もしないくらいなら、アプリを作るもよし、サーバを構築するもよし、資格の勉強をするもよし、何等かの行動をしてみましょう。
その経験は必ず、あなたの糧となり、何をするにしても行動したという事実はあなたの武器になると確信しています!